みんなde読書

慶河堂の読書感想ブログプロジェクト【みんなde読書】のサイトです。

メネナ・コティン『くろはおうさま』

くろは おうさま

くろは おうさま

「トマスが いっていたよ。きいろは からし。ぴりりと からいけど、ヒヨコの はねみたいに ふわふわ」「あかは イチゴみたいに すっぱくて、スイカみたいに あまい。だけど すりむいた ひざこそうから のぞいたときは いたい」
色はどんな色をしているのか、言葉を使ってを表現している素敵な絵本。真っ黒いページに銀色の文字で描かれていて、とてもスタイリッシュな絵本です。絵の部分は盛り上がるインクを用いてエンボス加工で黒一色で描くという斬新なもの。ちゃいろ、あお、みどり・・・どんな言葉を使って私たちに色の魅力を伝えてくれるのでしょうか?
この絵本こそ、読み聞かせには最高だと思います。もちろん大人にも。目をつぶって音だけ聞いてその色を想像してみる・・・色を感じ、におい、触れてみるように。色というものがぐっと親近感を持ってちかづいてきます。
各ページには点字が施されていますが、製本の関係で盛り上がりが少ないのですが、日本語版には別紙として点字シートがついています。まさに触れて感じることができる、色についての黒い本(El libro de los colores)なのです。

*Thousands of Books(サウザンブックス社)/2019